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空から雨や雪が舞い降りると、 町がキレイになって新しいことが始まるようなワクワクした気持ちと その雨が、その雪が、 はかなくかろうじて燃えている命の炎までも消し去ってしまうような不安が入り混じります。 冬の冷たい雨や雪に、 懸命に生きる命が流されませんように。。。。 去年、 とても思い出深かった雪の日があります。 去年の1月。 最後の日。 吠える気力もなく、かじかむほど冷たい床に、 大きな体で小さく突っ伏す「べん」という名の老犬がいました。 ■2008.01.31 べんちゃん① 飼い主からの処分通告により、あっという間に 頭をあげることすら出来ないほどの寝たきり状態になってしまったべん。 ■2008.02.01 べんちゃん② 焦りと喪失感が襲い来る中で、 皆さまの多くの声が一縷の望み・・のその端を捉えてくれました。 里親希望者さまがべんに会いに来てくれた2月2日。 それはべんの命を断裂する予定日と決めつけられた日でもありました。 間一髪・・・・べんは終りであったはずのこの日から、 経験したことのない光り輝く日々を送れることとなりました。 ■2008.02.02 べんちゃん③ 2008年2月3日。 ここ関東は積雪に見舞われました。 町中が白く覆われたこの日、 べんは新たな一歩を寝たまま踏み出しました。 の、はずが、、、、 心臓発作と脳梗塞を併発し、いつなにが起きてもおかしくない状態のべんが。。。。 ■2008.02.03 べんちゃん④ 普段「奇跡」を信じない私ですが、 もしかして今目の前にあるこれが「奇跡」と呼ばれるものでは・・と、 納得せざるを得ない現実がそこに。 ■2008.02.06 べんちゃん⑤ 「奇跡」なるものが毎日起これば、それはもう日常になるのか? ・・・べんの日常こそが「奇跡」なのかもしれません。 ■2008.02.19 べんちゃん⑥ それから何度か発作を起こし寝たきりになり、そしてまた復活する・・ を繰り返してきたべんですが、2008年冬に本格的な介護生活への突入しました。 でももう冷たい床のうえで、ひとりじゃないから幸せ。 おうちの中の幸せな家族写真の、その風景の中に自然にいるべん。 里親さま Mちゃんより 床ずれを起こさないように気をつけているんですが、 右側を下にする体勢がどうも嫌いらしくバタバタ暴れてしまうので、 どうしても左側に床ずれができてしまいます。 少しのお留守番でも寂しいようで、体をくねらせて移動し、 テーブルの脚に鼻の頭を何度もぶつけて血だらけになっていることがありました。 寝るときは私のベッドの隣にいるのですが、夜中に何度も鳴いていたので、 2、3日前から私もべんと一緒に床に寝るようにしたら、夜中に鳴くことがなくなりました。 いろんな事があって、動物と生活する事についてたくさん考えました。 べんちゃんの気持ちが分からなくて、どうすればいいかわからなくなり べんに怒鳴ってしまった事もありました。 でも最近やっと生活のペースが掴めて来ました。 歩けなくて、思うように体を動かせなくて辛いのはべんちゃんなんですよね。 ほんとに強いべんちゃん。 べんちゃんはすごいです!! べんの強さはMちゃんがべんを想う強さと比例しているように思えます。 Mちゃんがべんを想い、べんがMちゃんを想って過ごしたかけがえのない日々。 2009 元日 べんはMちゃんの腕の中で静かに逝きました。 新年を迎えたばかりなのですが、悲しいご報告をしなければなりません。 べんちゃんが虹の橋へ旅立ちました。 昨日の朝からタール便をしだして、いっきに食欲がなくなってしまい、 お薬をお水でとかしたものをシリンジでやっと飲んでくれる状態でした。 夜は痛みがあるようで苦しそうな声をずっとだしていました。 今日になると、少し声に元気がなくなっていました。 夕食を食べ終えた頃、べんちゃんがオーゥ、オーゥ、オーゥといつもより低い声で ゆっくり鳴いたので、私の腕にべんの頭を乗せて話しかけていました。 そのまま、本当に眠るような最期でした。 もしかしたら苦しんで苦しんで最期を迎えてしまうかもしれないという不安があったので、 べんが感じた痛みや苦しさはきっと本当に辛いものだったけど、 旅立つ時が安らかで本当に良かったと思っています。 2008年は、井澤さんにべんちゃんとのご縁をいただき、 私自身べんちゃんからたくさんの事を学びました。 短い時間だったけれどたくさんの思い出があります。 べんちゃん、本当に本当に可愛かったです。 井澤さん、べんちゃんとの出会いをありがとうございました。 赤ちゃんのように安らかです。 Mちゃんの想いに包まれて、どれほど安心して逝けたのか・・・よかったね、べん。 2008年のあの雪の日。 べんが望み、私が切望したことが1年後の元日叶いました。 私は2008年の募集開始時、こう書きました。 大型犬で17歳と非常に長生きしている子です。 17年もの間唯一無二の家族だと信じていた飼い主に見限られて絶望したまま逝かせるのはどうにも忍びなく、余生と呼べるだけの時間はもはや残されていないかもしれませんが、せめて『べんちゃんの為に』と家族が用意してくれた暖かなベッドの上で最期の時を迎えさせてはやれないものかと願ってやみません。 願ったすべてのことが叶ったどころか、 それ以上の、最高の最期だったと思います。 べんちゃんを気にかけてくださり、応援してくださった皆さま。 べんちゃんは最後の最後の最後まで、とっても幸せでした。 ありがとうございました。 べんちゃん、ゆっくり休んでください。 ありがとう。
by masa-u-h-a
| 2009-01-09 16:25
| ■虹の橋■
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